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最高裁判所第二小法廷 平成7年(行ツ)200号 判決 1996年2月23日

札幌市手稲区曙十一条二丁目二番二号

上告人

大内継也

札幌市厚別区厚別東五条七丁目三番一号

被上告人

札幌東税務署長 森本清

右指定代理人

海老原明

右当事者間の札幌高等裁判所平成七年(行コ)第六号相続税更正処分取消請求事件について、同裁判所が平成七年九月一三日言い渡した判決に対し、上告人から全部破棄を求める旨の上告の申立てがあった。よって、当裁判所は次のとおり判決する。

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告人の上告理由について

所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、違憲をいう点を含め、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するか、又は独自の見解に立って、若しくは原判決を正解しないでその法令違背をいうものにすぎず、採用することができない。

よって、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 根岸重治 裁判官 大西勝也 裁判官 河合伸一 裁判官 福田博)

(平成七年(行ツ)第二〇〇号 上告人 大内継也)

上告人の上告理由

○ 上告状記載の上告理由

一、判決の事由となった根拠が甲号証と異なっている。

二、一審、二審で上告人が求めていた大内小夜子の更正処分が、明らかとされなかった。このため祖課税が適正であることが実証されていない。被上告人は、公租公課の義務を公正に果たさせていない。

以上

○ 上告理由補充書記載の上告理由

一、原審の判決事由の根拠は、札幌高裁判決等の公文書である原審甲号証と異なっている。このことは、日本国憲法第十三条、第二九条、第三一条、第三二条に違背する。

二、一審、二審で上告人が求め続けてきた上告人と被相続人を同じくする相続人である大内小夜子の更正処分を原審判決別表の上告人の更正処分と同じく明らかとすることが原審ではされていない。このことは、日本国憲法第十四条第一項、第二九条、第三一条、第三二条に違背する。

各論

一、原審判決では上告人が債務を相続している主張は失当とされている。原審平成七年七月十二日準備書面別表~一で明らかのように大内小夜子が上告人らの相続財産である現金から債務を負担したことは明らかである。上告人は分割代償金二七六万九一二四円を相続したから、控除される債務は存しなくはない。大内小夜子も含めて、他の相続人3名も分割代償金は、取得した。分割代償金は、同じく別表~一で明らかのように札幌高裁判決により相続開始時の財産が、相続人四名に分割されたのである。

二、原審では上告人と同じく大内小夜子も、二三七万六四三五円の財産を取得したことを否決していない。

三、大内小夜子は自分で負担すべき固定資産税等を、相続人全員の相続財産から取得したことも否決されていない。

四、相続人らの納税額を計算すると平成七年七月一二日原審準備書面別表~二のように修正申告額より更正申告額が一〇一四万二八〇円超過することも否決されていない。

五、しかし、上告人の更正処分取消し請求が棄却された。

六、よって、被相続人を同じくする上告人らの相続税負担義務は公平とされていなく、かつ公平を主張する権利も否決された。このことは、日本国憲法の第一三条、個人(上告人)の幸福追求の権利の否定である。同第一四条第一項、すべての国民(上告人)は、法の下に平等であり、差別されないことの否定である。

同二九条(上告人の)財産権は侵してはならないことの否定である。同三一条何人(上告人)の自由は奪われないことの否定である。同三二条何人(上告人)も裁判所において裁判を受ける権利は奪われないことの否定である。

以上

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